2016年11月12日土曜日

Morrissey Interview / Fasterlouder (2016.10)


オーストラリアのメディアに語った、モリッシー最新のインタビューです。来日公演も素晴らしかったですね。今回のインタビューも絶好調です

URLhttp://fasterlouder.junkee.com/morrissey-interview-australia-2016/867813 

以下、筆者による翻訳。 

35年にわたる音楽的人生、うち28年はソロシンガー。モリッシーという存在は、多くの人にとって様々な意味を持つ。アイコン。詩人。ピンナップ。作家。工作員。ワードスミス。あるいはチャームド(アメリカのTVドラマ)の主題歌を書いた人。彼を定義することは難しい。そしてその存在を無視することは不可能だ。しかしモリッシー自身にとっては、モリッシーとは何なのだろうか?
彼が自分の信条に基づいて行動するのは、周知の事実だ。コンサート会場やフェスティバルを非肉食にさせるのは、もうすぐ始まるオーストラリアのツアーでも変わらない。30年前に解散し、生き返る兆候が全く見えないザ・スミスについても同様だ。世界中のファンやプロモーターからの強い要望にもかかわらず、決して再結成しないという主張は頑なだ。
近年も話題は尽きない。広く称賛された「World Peace Is None Of Your Business」、それに伴うハーベストレコーズとの衝突。酷評された小説「List Of The Lost」。食道がんの公表。たとえ死と向き合っていても、モリッシーはモリッシーである。
私たちの質問に、彼は律儀に返信してくれた。

Q:あなたはオリジナルに忠実な、「Are You Sure Hank Done It This Way」の素晴らしいバージョンを披露しました。カントリー音楽との関係は?
A:親密そのものだよ!僕はハンクスノウの演劇的な要素を愛している。「There’s A Little Box of Pine On The Road 7:29」が良い例だ。もしくはタミーワイネットが歌った「I’ll Just Keep On Falling Love Till I Get It Right」。これらは全て、音楽が「何かを言っていた」時代を思い出させてくれる。それに対し、現代のラジオは放射能の無駄な漏出だ。あるいは単なるバカな笑い声だ。

Q:アーティストやツアーミュージシャンとして、自由に行動するために今でも戦っていますか?
A:そうでもないね。音楽業界は僕にはまるで関係ない。同じように、僕も音楽業界には関係ない。ツアーについては、健康的な程度には好きなことをやれている。しかしもちろん、幕を下ろすタイミングを見誤ってはいけない。

Q:ツアー会場を非肉食にすることは大変ですか?私自身、ベジタリアンスタイルの誕生日パーティを開こうとしたことがあります。しかし母親がどうしても肉を出すと言って、結局は挫折しました。
A:決して大変ではない。むしろ解放感を覚えるよ。ここ数年で風向きが大きく変わった。皆が突然、ビーガンのライフスタイルに興味を持ち始めた。イギリスの大きなフェスでは、ベジタリアンの店には長い列ができる。でも肉を出す店の列は極小だ。殺戮者の運は尽きたのさ。

QBrexitを含む、近年の政情は80年代と比べていかがですか?少しは進歩していますか?あるいは絶望的な雰囲気が蔓延しています?
A:イギリスの政治が今ほど絶望的だったことはない。そして同じことがアメリカにも言える。政治家は変わらないし、変われない。一方で市民は変わり続けている。メディアはもはや、政治を高貴なものとして伝えることができない。クリントンとトランプの報道よりも、グロテスクで愚かなものがこの世にあるだろうか?Brexitの結果自体は素晴らしいものだった。しかしBBCSky Newsは未だにそれを受け入れることができない。人々はもはや、メディアに洗脳されることはない。FoxCNNも同じだ。彼らは一般大衆の愚かさだけを頼りに、虚構の現実を作り出そうとしている。それでも君がテレビを見たいなら、自己責任でね!

Q:人前で歌うことに今でも興奮しますか?
A:僕はグラマーになろうとしたことはないし、誰かが興味を抱く対象になるなんて、考えたこともなかった。でも歌うことだけは避けようがなかった。そして当時のポップミュージックは、僕が思っていたことを語っていなかった。だから僕の口から言わなくてはと思った。

Q:非肉食の技術は進化し、今やベジタリアンにも多くの選択肢があります。罪の意識を覚えるほどに、何かの食べ物にハマったことはありますか?
A:例えばケーキとか?僕の血糖値は危険なほど低く、血中塩分はほぼゼロだ。医者からは、できるだけ大量のデザートを食べるように言われている。奇妙なアドバイスだよ。

Q:あなたにとって最大の恐怖とは?
A:オスカーワイルドが言ったように、「恐れていることこそが、実際に起こること」だ。

Q:自分の功績をどのように考えていますか?ザ・スミスはあなたの人生における短い期間でしたが、人々があなたの功績を語るとき、未だにその大部分を占めています。あなたはこれに納得していますか?
A:そのことについて、僕は長年真剣に分析してきた。ザ・スミスがロックンロールの殿堂入り候補になった。そこにはモリッシーのその後も含まれると思われている。無論そんなことはない。結果として、PJハービーが殿堂入りの候補になった。しかし彼女が僕以上に、アメリカでどれだけの意味を持つというのか?そして言うまでもなく、僕が候補に挙がったことなどない。
ザ・スミスの後に僕が辿った旅路を見てほしいい。皆がそうしてくれたら、僕はとっくに候補になっているはずだ。でもそんなことをする人はほとんどいない。実際のところ僕は、ザ・スミスが残した全ての作品を、「World Peace Is None Of Your Business」と交換してもいいと思っている。しかしその後にどんな道を辿ろうと、最初に登場したときのまま見られてしまうことも確かだ。それが生きるということさ。それが死ぬということさ!

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